今回、取材させていただいたのは真庭市で小菊と白ネギを栽培されている中山さんです。ご実家の農家を継承されると同時に、小菊の栽培を始められました。農業には関わらず、ずっとお勤めされていたところから農家転身されました。
農業を始めたきっかけを教えてください。
高校を卒業してから岡山市にある介護関係の専門学校に行きました。その頃は介護福祉士という資格ができて3年目くらいの時でした。専門学校を卒業して、地元で就職しました。介護の仕事が好きで始めて、22年間楽しく仕事をしました。仕事をしている間は仕事と子育てで忙しく、農業には全く関わっていませんでした。子育てがひと段落した時期に仕事を辞めました。両親がもし倒れてしまったら、農業のことが全く分からない状態で、自分はどうしてよいかわからないのでは?と思い、両親が元気なうちに一緒に農作業をして教えてもらおうと思いました。やり方を聞いただけでは絶対にわからないと思っていたので、両親がする作業や段取りを横で見ながら覚えていきたかったです。主人も仕事を辞めることについて反対しませんでした。その頃に菊や白ネギを本気で頑張ろう!というタイミングもなんとなく重なって、農業を仕事にしようと思えました。
小菊はずっと栽培されていたのですか?
実家の周辺では兼業農家が普通なので、元々、お米や野菜は両親が作っていました。父は仕事に行っていたので、主に母が農業をしていました。15年ほど前に親戚が「菊を育ててみたら?」と助言してくれたのが菊を育てるようになったきっかけです。その時は、自宅に飾る菊があればいいな…くらいの気持ちで始めたと思います。自分が農業を始めたのは12年くらい前からです。同じ頃に父も退職し、農業を仕事としてするようになりました。
小菊は挿し芽で増やしていきます。
小菊は挿し芽をして増やします。出荷後の脇芽を取ってそれを土に挿しておくと冬の間に根を出しています。菊は1年中枯れません。出荷後の株をそのまま放置しておくと形はどうあれ、次の年も花が咲くと思います。
出荷後、翌年の準備として200本程度の挿し芽をしておきます。挿し芽をしたものは、本当に寒い真冬の間はハウスをかけて保護しています。お盆に出荷するものは少し早めに成長させたいので、そのままハウス内で春先まで成長させます。

品種ごとに植えてあります。お盆出荷の物はハウス内で成長させています
成長してくると、新しい芽が出てくるのでそれを摘んでいきます。

新しく出た芽
温度差を使って成長促進!
摘んだ芽を集めてビニール袋と箱に入れた状態で、2℃の温度の保冷庫で休ませます。

品種ごとに仕分けをしてビニール袋へ

この状態でも枯れないのが不思議です!
保冷庫から出すと、突然暖かいところ出て目を覚ます!ような感じで土に挿すと根を生やします。
挿し芽をして根をしっかり張らせます。

ご両親と一緒に、1本ずつ手仕事で挿し芽をしていきます
土に挿してから間が無いものはまだ元気がありません。この状態の間は1日1回そっと水やりをしていきます。根が出ていない状態で光を当てると、水を吸い上げることができずしなびてしまうので、光を遮断します。1週間くらいするとしゃきっとしてきます。

画像上側の芽の方が元気があるのがわかりますか?

光は遮断!
2~3週間、陽を当てないハウスの中で育ててから外に出します。あまり太陽が当たらない日陰で外気に慣らしてから圃場へ定植します。挿し芽をしてから1か月くらいでしっかり根を張るので、それを圃場に定植していきます。菊のご機嫌をうかがいながら、圃場に連れていく感じです(笑)。

3週間くらいで根がしっかり出てきます
お盆に向けた出荷用とお彼岸に向けた出荷用では作業が1か月違います。これも1か月後に同じ作業をして時間差で定植します。

成長が1か月遅くて良いので、外気で育てます
墓じまい等の影響はあります。
今、墓じまい等の影響でお墓が減っている中、需要も減り、小菊を作る人も少なくなっています。お盆とお彼岸時期以外は単価も安いので、その時期に合わせて出荷できるように栽培していますが、最近気候も暑くなり、以前と同じようには作れなくなっています。暑い気候に強い品種を作っていけばよいのですが暑くなる方が早く、品種改良は追いついていません。
白ネギやお米も作っています。
4月は米の育苗も開始する予定です。5月の半ばには田植えをします。お米は親族で食べる分だけを、2反半くらいの面積で作付けしています。白ネギも4月中に定植をするのでいろいろな作業を行っていかないといけません。菊以外にはソリダゴを少し育てていますし、家族で食べる分の野菜も栽培しています。忙しいです(笑)

ソリダゴも製枝します
両親が歳を重ねても農業が続けられ、それに寄って2人の健康寿命が延びてほしいと願っています。今は元気なので農業をしていないと落ち着かない様子です。自分にとっても何かを作るということは楽しいです。失敗したら大きいし気持ちも萎えるのですが、それ以上に良いことがあると思います。
ご主人も農業をお手伝いされています。
主人は会社員で勤めに出ているのですが、忙しい時には農業を手伝ってくれています。手伝ってくれる時はきちんと作業してくれるのですが、今は積極的に関わりたくはないようです(笑)。少しの農業でも女性独りでは難しいかなと感じます。重機を使われる女性もいますし、器用不器用も個々の差でありますが、力の加減が男性と女性では違うので、そういうことがうまくかみ合った結果として、良い作物ができる感じがします。
趣味はありますか?
趣味は献血です(笑)。自分の身体を献血に行ける健康体に保っておくために体を使って仕事(農業)をしていると言っても過言ではありません!だいたい半年に1回、移動献血車や、時間がある時は岡山市の献血ルームに行って献血しています。献血すると、血液を出した分だけ新しく体の中で作るので、体がリセットされてきれいになった気分になり、すっきりする感じです。健康診断レベルでの血液検査もしてもらえますしお得です。薬を飲んでいたら献血できないので、そういう体にならないように心掛けています。
小菊の成長を追っていきます!
花農家さんからお話を聞くのは初めてで、驚くことばかりでした。ほぼすべてが手作業であることにもびっくりです。ご両親がやってこられたことを着々と継承していくということが感じられるお話でもありました。これから出荷までどのような作業をして大きくなっていくのか、見せていただくのが楽しみです。白ネギも同時に追っていきます!

真庭市のトンネル桜がきれいな時に取材させていただきました
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