今回は岡山市で主に人参と大根を生産されている秋山さんの第2回目です。
人参収穫の様子と農業以外のエピソードについてお話をお伺いしました!
こちらもどうですか?
収穫初日、人参の出来具合はいかがでしょうか?
畑が広範囲に点在しているため、今日収穫した2か所の畑に関してですが、1か所目は寒い時期に種まきをして、トンネル(小さなビニールハウス)をかけるのですが、トンネルを外す時期が遅くなって、あまりいい出来ではなかったです。2か所目の畑は2月の終わりか3月の頭ぐらいに種まきしてトンネルを作ってなかったんですね。それがうまいこと芽が出てくれてある程度この時期までに大きくなってくれたから良かったな…という。ダメ元で蒔いたものがそれなりに大きくなってくれましたが、やっぱり人参の先端がまだ細いんですよ。先が細いと機械のローラーの隙間には挟まってボキッと折れてしまいます。ちゃんと先まで太っていたら折れることはないです。

畑から収穫してすぐの人参 先端が細いのがおわかりでしょうか?
あの機械は人参の収穫にしか使わないからコスパは悪いですね(笑)。でも、あの機械がないと収穫は無理です。機械を入れる前、30年くらい前の自分が小さい頃は手で抜いていました。その頃は抜く前の日の夕方ぐらいに水を撒いて土を柔らかくしておいて、朝の2時くらいから収穫をしていたみたいです。機械を入れたのが私が17歳ぐらいの時です。今使っているのはうちで買った3台目です。前の型の機械はこのあたりで7台ぐらいみんなが買ったんですが、人参作りを辞めていった人から部品の修理用で譲り受けたりしました。

人参収穫機

光太郎さんと2人で人参の収穫作業。光太郎さんは作業の前日カレー1kgを完食されたそうです!
人参収穫後の作業工程
まず、機械でしっかり洗浄します。いらない葉っぱ等が残っていれば、この時に取り除きます。形の良くない物も人の手で取り除きます。

作業場は人参の良い香りでいっぱいです。
次にひとつずつ大きさが認識できるよう、コンベアに流れていきます。

この時点ではサイズがいろいろです
最後に、サイズごとに選別されて出てきたものを箱詰めします。

それぞれの出荷先の段ボールに詰めます
箱詰めしたものを運んで出荷準備完了です。

農機具以外にもいろいろ運転される秋山さん
これ以外、産直市場等に出すもの等については、ビニール袋に詰める作業もあるそうです。
出荷できない人参もたくさん出ます
今日、先に収穫した畑の人参は、寒い時期に種を蒔いてビニールでトンネルを作っていました。だんだん暑くなってきたら換気の為に少しずつビニールを上げて、トンネルを剥いでいく作業が必要です。綺麗に生えていたんですけど、換気が遅れて人参の葉っぱがやけてしまいました。テントを取るのも他の作業で出来ていなくて結局遅くなって、除草も間に合わなくて草ぼうぼうになってしまったり。そうなるともう途中の管理もなかなかやりにくいからやる気にならない。人参の首が土から出ているところを土寄せさせてあげないと色が変わるので、一畝ずつ機械で土寄せとかしないといけないんですけど、それもやる気にならなくなって…。
もう全部あきらめようかと思っていたけど、まあまあ量があるからと思って残していました。収穫するの手間がかかるし抜いて帰っても多分ダメなのしかないし…という感じで、どんなかな?と思って半分ほど抜いてみました。半分はまた今度とります。

出荷できない人参
これはまだマシな方で、ひどい時はもう抜くのも諦めるぐらです。まだそこまで腐っているものが少ないです。腐りが入り始めてしまったらもう全滅ぐらい。ここのところ暑いけど雨が少ないからまだもちこたえています。ここで雨降って蒸し蒸ししたら多分だんだん全部腐ってくるんですよ。

中が腐っています
おいしい人参の見分け方
軸が細いほうがおいしいと言われています。葉がしっかり育ったものは、軸がしっかりして太くなっていますが、軸は細い方が味はよさそうです。産地とか時期で軸が太いものしかできない場合もありますが…。スーパーで根や軸の周りから葉が出ている人参は収穫してから20日くらい経っている感覚です。ジュースにしてもおいしいですが、家ではよっぽど気が向かないと作らないです。バナナジュースの方が子供に人気です。
人参以外の話です・・・免許はいろいろ持っています
船の免許は16歳でとりました。祖父と父がアユ釣りをしていて、その船を操縦するのに免許が必要だったのでとりました。今は船の盗難にあってアユ釣りはしていません。漁業権はまだ残しているので、いつでもいける状態ではあります。車の免許は18歳でとりました。4級船舶の免許ではジェットスキーも乗れます。
フォークリフトの免許も持っています。そこでユンボとユニックの免許もとりました。クレーンは、大根を軽トラに積むのが面倒で、この作業に使っています。現場系の資格はたくさん取ったほうがいいと思います。
釣りやスキー等、趣味はたくさんあります
人に連れて行ってもらったりもしますが、自分の船もあります。釣りに行くには、釣れる場所に詳しい船長さんがいた方がいいです。友達と共同所有している船があり、8年位前から持っています。海遊びもして、ジェットスキーも持っていてやったりします。スキーをしに雪山にも行きますが、過去の事故で足が少し弱いので長くは滑れないです。あとは、近所で麻雀したりして遊んでいます。
畑作業のすきま時間に子供の凧を借りて、釣り竿で凧あげをしたりします(笑)。300mくらいあげて、糸が切れてどこかに飛んで行って子供に怒られたりもしました。暇があったら庭先とかでバーベキューをしょっちゅうしています。

秋山さん
子育ては楽しんでいます
子育てに関しては楽しんでやっていますが、人参・大根の収穫時期は子供の朝の準備時間が本当に大変で、記憶がないです。朝、子供の起きてくる音が聞こえてくると、作業を中断して家に入って、子供の準備を手伝います。子供とは、保育園から帰ってきて寝るまでくらいしか遊べませんが、年に1回か2回くらいは家族旅行もします。近場で水族館に行ってみたりもします。この前は須磨の水族館に行きました。海遊びにも一緒に連れて行ったりします。
子供が農家を継ぐのは、子供に任せますが、おすすめはしません。まだ、手伝いのレベルになっていませんが、遊び感覚で、いないほうがはかどる感じです。この前大根を一緒に収穫しました。
農業も趣味もしっかりと!という印象です
びっくりするくらい多趣味な秋山さん。昔は車も趣味だったそうです。マイペースです!とおっしゃっていますが、いろいろなことにハイパワーで取り組まれている様子です。人参や大根の収穫作業を見学させていただきましたが、大変な作業なのに、軽くこなしておられるように見えてしまうのがすごいことだと思いました。その力強さに未来の農業への安心感のようなものを感じました。
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