今回、取材させていただいたのは岡山市で枝豆や小松菜を生産されている藤井さんの第2回目です。
異色の経歴もおどろきです!

今までどんなお仕事をされていたのですか?

いろいろと転職をしてきたのですが、もう嫁様あっての自分です(笑)23歳で結婚したころはお弁当屋さんの店長をしていました。それから28歳の時に自営業で独立して会社を作りました。文房具が大好きで、それをインターネットで海外向けのオークションに出して日本の文房具を売ってました。国内のオークションサイトでヴィンテージ万年筆等を買って、自分でメンテナンスして書けますよ、っていう状態にしてから海外のオークションとか出してました。30歳過ぎたぐらいに新品の文房具が扱えるようになったんで、問屋町とかで卸業者さんから買って、新品のものを売ることもしていました。コロナ禍で海外向けの飛行機が止まったりとかして、輸送料が高くなったり、自分が売っている価格帯ではいまひとつになってしまいました。海外ドルを稼いていたんですが、日本円稼ぐ方が楽だなと今は思っています。まだ会社は潰してないですけどスモールカンパニーにしています。一番好きな文房具は昔のヴィンテージのモンブランの4色ペンがあるんですが、それが一番好きですね。PIX―O―MATという型番です。一番書きやすいのはやっぱジェットストリームのインクです。書いた1秒後でも絶対ににじまないです。モンブランのボールペンのインクをジェットストリームに変えるのが、いちばん好きな組み合わせです。

枝豆王子?

農業をすることは子供の為にも…と少し考えています。

自分の友達も同じように農業を始めたのですが、その友達の子供と自分の子供が高校3年生で同い年です。ふたりともめちゃくちゃいい子なので、就職したら職場でメンタル潰れてしまわないかを心配しています。もしそうなったときに、農業を仕事の逃げ場として欲しいと思っています。農業をやって心を整えて、また巣立っていけるようになったらいいな…と思っています。農業を継いでほしいとは思っていないですが、ずっと農業を一緒にしていくということになったらそれはそれで良いです。

小松菜も主力商品になりそうとのこと

法人化は考えていますか。

奥さんからは、またどうせ農業も飽きて違うことするでしょ?と言われていますが、法人化して自分ではなくて、他の誰かに任せることができたりするならそれでもいいと思っています。文房具の会社をやっていた時は、従業員を2人ほど雇っていたのですが、自分が28歳で若かったのもあり、従業員にいろいろとあれやれこれやれと指示をしていました。農業はそういうことを言わなくても良いのでいいですね。パートさんの作業を見ても、そのうち効率的にできるようになるわ…と思ってみている感じです。子育ての経験ができたから、どんな人でも尊敬しながら接することができるようになったと思います。若い人が成長していってくれたらよいなと思います。

トウモロコシは生食でもめちゃくちゃ甘い

奥様にもお話をお伺いしました。

主人がお弁当屋さんの店長をやっていた時には、やっぱり勤務時間も長くしんどそうで、「辞めないで!」とは言えない感じでした。その後はもう「好きにしてくださーい!」という感じでした。いろいろな事が全部事後報告だったんですけどね(笑)。私は今、主人の農業を手伝うことと、もう1つカフェでパートをしています。将来主人の作った野菜でカフェができたりしたら良いなとも思ったりしますが、行動には移しません(笑)。勤務先のカフェで主人の野菜を出す勇気はまだありません。スーパーとかに卸したりしてるので、人に食べてもらってはいるのですが、目の前のお客さんに自分たちの野菜を食べてもらう自信がまだありません。冬に作ったブロッコリーが余っている時とかに、もったいないなと思って、カフェで使ってもらうことを思ったりしたこともあるのですが、そこまでまだ自信がなかったです。

地域の方も良い方ばかり。楽しんで農業をしています。

私自身は、割と楽しく農業をしていると思います。畑作業の後は、体力的にやっぱりしんどかったりはしますけど、枝豆も小松菜もブロッコリーもかわいいなと思います(笑)近所の皆さんもよい人ばかりです。主人が人に好かれる人柄なので、そのおかげだとは思うのですが、皆さんに良くしていただけます。自分達だけだと農業ができていないと思います。農機具にしても貸してもらったり、一緒に使わせてもらったり、壊れた時も詳しい方がちょっと見てくださったりします。

主人が農業をやっていると、子供の逃げ場ができる安心感はあります。子供にはお勤めしてほしいですが、農業をするなら会社から逃げて農業…ではなくて、農業がしたい!という気持ちでやってほしいです。軽く考えての農業はしてほしくないです。下の子はこの前バイトとして手伝いに来たのですが、しんどすぎて「もう行かない」と言ってました。上司もいないし、お客さんもいない。身内だけでやっていてこんな楽な仕事はないのに!と私は思うのですが…。

飼っている犬が癒しの存在です。

子供はある程度大きくなってあまり手がかからなくなったのですが、犬がいるので、今は犬育てをしている感じです。犬のお世話に大忙しです。家で子供たちは部屋にこもっていますが、犬だけはそばにいてくれます(笑)。

ご夫婦で農業を楽しんでおられる様子がとても印象的でした。

パワフルに突き進む感じの藤井さんを、何事も寛大にサポートしておられる奥様といった印象でした。お互いを尊敬している感じで、ほんとに羨ましいご夫婦です。親として子供の将来も考えておられるところが本当に共感出来ました。地域の方と良い関係も築いておられる藤井さん夫妻。これからもおいしい野菜をたくさん届けていただきたいです。

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